おバカ社員奮戦記⑨

 前代未聞の大事故発生!!

私が北習志野店のチーフ兼新京成総武地区長だった頃の話です。
当時の西友フォートサービスの店舗にはまだミニラボは入っていなくて「カメラ売場」でした。
売上の主力はDPE フィルムの現像・プリントの取次で、フジ、コダック、コニカの純正プリントに三菱の特価プリントがありました。社長が西友からきたS社長に代わると、府中物流センター内に当社の現像所を作り自社処理することになりました。


我々セゾングループ内に総合商社の大沢商会があり、同社が西ドイツ・アグファ社の総代理店だったことから、アグファ製の大型フィルム現像機、プリント機を導入し、ペーパーとケミカルもアグファを使うことになったようです。
その現像所に関東の西友フォート各店から集めたフィルム処理をする大規模な工場=現像所が完成しました。(三菱は廃止されました)

プリント料はLサイズがフジ、コダック、コニカは一枚35円だったのに対し、オリジナルプリントと称するアグファは19円でしたから、お客様の多くは19円のプリントを選びました。色の出もとても良く純正プリントと遜色ないものでしたから人気を集めたものです。
ちなみに同時プリント(現像+プリント)は翌日仕上げ、焼き増しは中1日、翌々日の仕上がりでした。
会社からはとくにオリジナルプリントを多く集めるように指示はありませんでしたし、私は各店の売上アップの手段として物販(カメラ・フィルム・写真用品・時計など)を重視していたため、府中現像所がどうのこうのという社内事情には興味がありませんでした。
無関係とは思いますが、S社長の社用車はアウディでした。

ある日、本社から電話があり、「府中現像所で現像事故が発生した、詳しくは追って連絡します」とのことでした。
「一体、何が起きたんだろう?」不安な気持ちになりました。閉店前になって「フィルム現像機で事故があり、約100本のフィルムを感光させてしまった。あなたの地区では高根台店が4人で4本、北習志野店が1人で1本です」との追加情報がありました。
ーーーーこれはえらいことになった!お客様のフィルムをダメにする事故など入社以来聞いたことがありません。
翌日の仕上がりに合わせて本社からO総務人事部長とN営業企画部長が当地区に派遣されることになり、一緒にお客様にお詫びに行く段取りをつけました。

翌日、O部長、N部長と高根台店で合流して、近くの団地に住むお客様のもとへ3人で伺いました。菓子折を持ったスーツ姿の男3人が来て平伏しとお詫びしたため、4人のお客様からお許しをいただきました。北習志野店のお一方とは予定が合わなかったため、電話で事情を説明して、1週間後に府中センター担当のI役員と一緒にお詫びに伺い、こちらもありがたいことに許していただきました。
それにしても前代未聞の重大事故で各地区に部長クラスを派遣して解決を計るなど、まさに会社存亡の危機でした。
運良く大事にはなりませんでしたが、他の地区ではお詫びに長期間かかったケースもあったと聞きました。
当時はまだ会社の各部門の部長が現場経験の長いプロパーの部長だったことから、全社をあげての事故処理に成功したと思います。[完]