『カメラ買取』の実状

当店はフィルムカメラの専門店ですが、売っているカメラはほとんどがお客様から
買い取ったものです。買取をしなければ、売れた数が在庫から減少し、陳列している
カメラが少なくなってしまいます。

また売れ筋のカメラはすぐに売れてしまうので、日々のカメラ買取は仕事として欠か
せません。

では、我々カメラ店では、どうやってカメラの買取をしているのでしょうか?

まず店には「カメラ買取」の看板を出し、店の前を歩く人に訴求します。
当店では幟旗も立てています。それだけでは集まるカメラの台数も知れているので、
定期的に新聞広告を打ってアピールしています。


それでは売りに来て下さった方のカメラをどのようにして値段をつけて買い取るので
しょうか?

中古カメラ店向けの買取相場表という本が毎年送られてきます。我々カメラ商は、
その相場表に基づいて値段を決めます。
この本にはそれぞれのカメラがABCDのランクに分けられており、店員が外観や動作を
確認してランク付けします。

例えばキヤノンAE-1+FD50mm f1.8の場合、ボディーのA評価は1000円、レンズのA評価
は500円なので、1500円になります。また、店がブラックを高めに評価している場合は
2000円で買取するケースもあります。また、その店の在庫状況でAE-1が少ないまたは
無いとき、そのカメラが欲しいので、2500円くらい高く値付けすることもあります。
逆にAE-1が多数あり、特に必要としていない場合は相場表どおりの1500円で買取します。
よく入ってくるアサヒペンタックス SPもA評価で1500円くらいです。

あれ?店頭では20000円とか30000円で売っているのに、ずいぶん儲けているな?と
お思いの方もいらっしゃるでしょう。しかし店に並べる前に、そのカメラを整備しな
ければなりません。
A評価でもAE-1ならほぼ100%「シャッター鳴き」していますし、 SPならシャッター
不調は当たり前です。
店の人が自分で整備できるのなら、買取額+人件費が原価になりますし、当店のよう
に専門の修理屋さんに出している場合は、買取額+整備費が原価になります。
そのため、2000円で買い取ったAE-1は約10000円の整備費をプラスして、12000円が
原価になります。それに利益を乗せて売るのですが、そのさじ加減は店の考え方次第
です。

というわけで買取価格は今後必ずかかる整備費を見込んでのものになります。
そのため、酷く傷んでいるカメラは0円ということもありますし、外観がきれいでも
修理に多額の費用が見込まれる場合は500円、1000円ということもあります。

ここまでお読みになって、「そんなに安いのか、、。」と落胆される方もいらっしゃる
かも知れません。では、高く売れるカメラとはどういうカメラでしょうか?

それは人気のあるカメラです。
例えばニコンFM3Aとか、New FM2などは数万円の買取額になることもあります。
また、コンタックスT2やT3が人気ですが、部品が無く修理不能なので、買取を断る
店もあれば、数万円で買い取る店もあり、そのあたりは店の考え方次第です。
おおむね修理不能の電気式カメラはカメラ店では値段がつかない、と考えていただ
いて結構です。


カメラを高く売る方法ですが、一番手っ取り早いのは「メルカリ」で売ることです。
ネットでだいたいの販売価格を調べて、それに近い価格で売ります。
動作確認をする知識がない場合は安めの値段で出品すればいいでしょう。

逆に値段より思い出のカメラを大切に使ってくれる人に引き継いでもらいたい、
という方は個人のカメラ店に売ることをおすすめします。きちんと整備して、
そのカメラを欲しいという人に販売します。

地元に個人のカメラ店が無く、キ◯ムラしかない、というケースは要注意です。
まず、キ◯ムラさんは組合に入っていないので、相場表はありません。
自社のコンピューターで算出した価格で買い取ります。そのため、かなり安い値段を提示されることがよくあります。また、整備して売る、というシステムにはなっていないので、買った人がカメラを捨ててしまうこともあります。一方、人気カメラは個人店より高く買い取っているようです。
では、最近よく見る買取屋(お◯からや、買取◯吉など)はどうでしょうか?
これが思いのほか高く買い取ってくれるようです。もともと自ら販売するわけではなく、
ネット業者に卸したり、海外の業者に輸出するため、必ずかかる整備費など考慮
しないので、高い値段がつけられます。
しかし愛機がどこの誰かわからない人にわたるわけですから、あまり気分のいい
ものではありません。


最後になりましたが、一般の人からカメラを買い取る場合、地元の公安委員会の
古物商の資格が必要です。あやしい場合は古物商の免許を見せてもらいましょう。
また、写真店などで、「委託販売」でカメラを売っている場合は古物商は
必要ありません。
あくまでカメラを売りたい人に場所を提供しているだけですから。
(手数料10〜20%を写真店がいただきます)