おバカ社員奮闘記 地区長編⑥

やり甲斐が大事か、体が大事か?


ミニラボの設置と改装は次々に行われ、新小岩、下総中山、幕張、新検見川、東陽町、浦安、行徳、
と担当店舗の売場づくりに忙殺されました。

行徳店に近い新浜店にはカメラ売場がありませんでしたが、
以前から知っていた店長に頼み、交渉を重ねて1階入口に当社の売場を作ることが出来ました。

工事期間の1日は店に泊まり込み、徹夜で工事に立ち会ったこともありました

多忙をきわめていましたが、さらに地区割が変更され、常盤平、北習志野、新北習志野の3店舗が
加わり新たに「総武京成地区」の地区長になりました。この時点で私の担当は14店舗です。

社長は全国に4000台の自社製証明写真ボックス(証明写真セルフ自販機)の設置をブチ上げ、
業界トップシェアになると宣言し、そのため「全社員が営業マンになれ!」と社員集会で私たちを
鼓吹しました。
自分勝手な売場を作ってチェーンオペレーションに反し、本社の人達は私を嫌って
いましたが、私自身は誰よりも愛社精神があるつもりでした。
証明写真ボックス(通称、デジフォトくん)の営業にも全力を尽くし、グループ外の会社や店舗に
どんどん設置していきました。

自分で仕事を作るタイプの私は多忙を極め、ある時から背中に痛みを感じるようになりました。

空腹時ほど痛いことから「これは胃では?」と疑い、西千葉店からすぐ近くの胃腸科医院を受診して
検査を受けました。「こんなに大きな穴は久しぶりに診たよ、以前ならすぐ手術だけど、いまはいい
薬があるから」年配の院長はレントゲンを見て即座に「十二指腸潰瘍」と
診断して投薬治療をうけることになりました。

これまでは食事より何より仕事を優先し、昼食が午後4時5時になるのは当たり前でしたが、
「できるだけ規則正しく食事して空腹時間をつくらないように」と先生に指導され、それからは12時に
昼食を取るようにしました。それまでは健康体で薬を常用することなどありませんでしたが、1日3回
薬を服用することになりました。

14店舗のうち正社員チーフのいないパート店舗は8店舗、そのうえ地区のパート社員、アルバイトの採用や
ローテーションの作成と、とにかく時間が足りません。週1日の休日は取っていましたが、大量の仕事を
家に持ち帰り自宅でも仕事をしていました。休日でも頻繁に携帯電話は鳴ります。地区運営や営業はとても
1人ではできかねる状態でO人事部長に地区長専任のスタッフをつけてくれるように頼みましたが、人件費削減
の会社の流れの中、望みはかなえられませんでした。仕事には大いにやり甲斐を感じていましたが、
体は悲鳴を上げていたのです。