おバカ社員奮闘記 地区長編⑮

もちろん人事も私の仕事

ある店を巡回訪問していたら、担当係長が呼びに来ました。店長が話があるというのです。事務所に
上がると店長に切り出されました。「おたくのXさん、店のボスになっちゃってウチのみんなに悪影響
があるんだよ、なんとかしてくれないかな」大ベテランのパート社員Xさんは気が強く姉御肌ですが、
たしかに問題のある人でした。しかしまさか西友店内でボス化しているとは、、、。係長や課長では
なく店長が言ってくるとは深刻な事態です。実はほかの店でもひとり、その人がいると売場のチームワーク
が取れないZさんというパート社員がいました。そのため翌月、玉突き式に2人を異動させました。

2人とも抵抗しましたが、よく話して納得させました。それ以前にも大ベテランではあるのですが、店の
戦力になっていない人を異動させたことがありました。Xさんの場合、能力はあるのでパート店舗の
チーフ格になってもらいました。人を扱うというのは本当に難しいものです。パート社員とアルバイトは
本社の人事部は一切関与していないため、地区長が責任をもって管理しなければなりません。
マイナスばかりではなく、もちろんプラスの異動もあります。リーダー格のMさんにはアルム市川店、
プリント工房・習志野台店のチーフ格になってもらいましたし、下総中山店のベテランの方が高齢のため
引退したときには、北習志野店のKさんをチーフ格に抜擢しました。Kさんは頭がよく仕事ができるので
いずれはパート店舗を任せようと思っていました。

西友側から見ると正社員チーフを置かずパート社員とアルバイトで運営するというのは、一抹の不安が
あるものです。下総中山店の店長は、どうしても私に店に籍を置いてほしい、と強く要望されたため、
名目上、私が売場責任者として登録していました。会社は人件費削減の名目で正社員チーフをどんどん
減らし、店舗のパート化を進めていました。そうなるとどうしても地区長に負担がかかります。
困ったことがあれば、いつでも休日でも夜でも携帯に電話をしてくれ、とスタッフには言っていたので、
よく相談の電話がありました。自分の負担を少なくし滞りなく店舗の運営をするためには、優秀なパート社員
をリーダーにすることです。リーダーやその下のスタッフにどれだけ助けられたことか。ひとりで20店舗
を担当していましたので、パート店舗のスタッフは私に気を使ってくれました。時給以上の責任を持たされる
パート社員のリーダーを私は正社員と同じチーフにして職務手当を与えるように何度も会社に具申しました。
そのことは営業会議でも言いましたが、経営陣は一切賛成してくれず実現しませんでした。多忙と能力不足で
彼女たちにはずいぶん大変な思いをさせました。本当に感謝しかありません。