ちょっとひとやすみ・・・「少年キングの相撲マンガ」について

1970年代後半。少年キングは相撲マンガが面白かった。他誌には相撲マンガがなかったので、それが「地方に強い」キングの特色にもなっていたのでしょう。

 1972年、ビッグ錠の「やぐら嵐」に続いて、1974年に原作・吉岡道夫、画・新岡いさおの「ここ一番!」がはじまりました。しかし、この作品は連載途中で突然、誌面から消えました。一切の告知もなく、打ち切りになったのです。当時、この作品を楽しみにしていたので、悲しかったことをおぼえています。

 1974年後半に相撲マンガ第3弾の、原作・吉岡道夫、画・田丸ようすけの「ごっつあん」が短期連載されます。1975年、キングは編集長をかえ、誌面大刷新に挑むも大失敗。これで部数が半減して、のちの休刊につながるわけですが、この年、相撲マンガ第4弾の、原作・吉岡道夫、画・かざま鋭二の「がっぷ力」がスタートしました。しかし、この連載も2回の中断をはさんで、まんが家が浅井まさのぶにかわり、年末には終了してしまいました。

 この「がっぷ力事件」は、かざま氏のマガジン引き抜き説と、原作者とまんが家のケンカ説の2つがあるようですが、作家・編集者とも一切の発言がないので、真相はわかりません。いずれにしても、3回の原作執筆のうち、2回も事実上の未完となった、吉岡道夫氏の無念はいかばかりのことでしょう。

 このことだけでなく「第3の少年週刊誌」少年キングには、マイナーなるがゆえ、不明な点が多く、当事者の先生方、編集者がご健在の今のうちに、研究が進むように願っている次第です。

(7代目編集長・馬島進氏、9代目編集長・戸田利吉郎氏の自伝を、どこかの出版社で出していただけないでしょうか?私が5冊は買いますよ!(笑))