赤塚不二夫よりおもしろい!日野日出志先生のギャグマンガ

怪奇マンガの第一人者、日野日出志が大爆笑?ギャグマンガを書いていた!
と、いうことをご存知ない方も多いのではないでしょうか。日野先生といえば、吐き気をもよおす不気味な絵、悪夢にうなされそうな怖いストーリーで1970年代の子供たちにトラウマを植えつけた恐怖のマンガ家です。
私が日野先生のギャグマンガを初めて読んだのは1973年少年キング36号に掲載された「おかしなおかしなプロダクション」です。しかし私が少年キングを読み始めたのは1974年から。
今回ひばり書房の単行本を見てみると、収録されていましたので、私は単行本で読んだのだと思います。この作品は日野日出志ギャグの第1号。原稿を取りに行った編集者が、妙なプロダクションでマンガ家とアシスタントにさんざんな目に合わされる話です。なんともサディスティックなギャグマンガで、編集者に同情したことを憶えています。
1975年に少年キングから増刊の「KINGオリジナル」が創刊されると、“日野日出志ギャグワールド“が大全開!創刊号の5月25日号の「狂人時代」からスタートして、8月17日号で「奇病時代」、9月28日号で「大戦争時代」、11月23日号で「野球狂時代」そして、翌76年の2月29日号の「発明狂時代」と狂気のギャグで読者を夢中にさせました。
日野先生がこの「KINGオリジナル」に、どうして集中してギャグマンガを描いたのかは分かりません。もしかするとこの雑誌を編集していた馬島進氏が関係しているのかも知れません。この馬島さんという人は「劇画家に劇画を頼むのは当たり前のことさ」とギャグ漫画家の森田拳次先生に空手劇画「さむらいカポネ」を描いてもらったというユニークな編集者です。そのため馬島氏が日野先生にギャグマンガの執筆を依頼したのかも知れません。もちろん、日野先生自身の提案の可能性もあります。
さて、読者として「日野ギャグマンガ」からひとつ選べと言われたら、「尻からクソではなく、金が出てくる」という突飛な発想の「奇病時代」です。ほかもすべて面白いのですが「特に」と言われればこれでしょう。
「日野ギャグマンガ」はほとんど単行本化されていません。みなさんにぜひ読んでいただきたいのですが、「KINGオリジナル」はプレミアのつく幻の少年誌です。ここはセンス抜群の出版社さんに単行本化してほしいところです。そして一番読みたいのは、「日野日出志自伝」です。(ツイッターで少し書かれています。)志のある出版社の方、期待してますよ!

かなりギャグっぽい

シリからカネが?!

ギャグマンガとは思えないトビラ

「おかしなおかしな
プロダクション」

いじめられる編集者

これぞ
「日野ギャグマンガ」

この3人は?
「野球狂時代」

参考資料 胎児異変ーわたしの赤ちゃん 日野日出志 ひばり書房
     私笑説・だめ男はつらいよ 森田拳次 亜紀書房
     週刊少年キング/少年KING増刊KINGオリジナル 少年画報社
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