写真屋プリントとコンビニプリントの違いは?
写真店は「紙の写真」を作るお店のことです
スマホやデジカメで写真を撮りますよね?。それを「紙の写真」にしたいときはどうしますか?
ご自宅の家庭用プリンターで出力する、会社のプリンターを使う、近所のコンビニの複合機で
プリントアウトする、色々な方法がありますね。けれどこれらは「紙の写真」ではなく「印刷した紙」
なのです。「紙の写真」というのは街の写真店に注文して作ってもらう「銀塩(ぎんえん)写真」のことなのです。
では、プリンターで出力する「印刷」と写真店の「紙の写真」とはどう違うのでしょうか?
●プリンターで出力するものは「印刷」です
プリンターや複合機では、ちょっと厚めの紙にインクを吹き付けたり、なすりつけたりして色や像を出します。
紙の上にインクがついているだけなので、保存性・耐久性が劣ります。この紙の上に水などの液体をこぼすと、
色が流れて白い紙になってしまいます。ただ、発色が鮮やかなので、長期の保存を目的としなければ、手軽で
使いやすい「印刷の紙」です。
●そもそも「紙の写真」って何?
街の写真店で作る写真を「銀塩写真」と先ほど言いました。この「銀塩写真」こそ約150年の歴史のある技術なのです。
もともとは白黒だけでした。カラー写真が一般化したのはここ50年くらいです。この「銀塩写真」は「印画紙」という
酸化銀などの化学物質をしみこませた紙のことで、ランプやレーザーで露光し、現像液や定着液という液体の中を通って
化学変化して印画紙に像が現れます。その濡れた紙をドライヤーの熱風を吹き付けて乾かし、「紙の写真」になります。
「現像」という言葉を聞いたことはありますか?この「現像」というのはフィルムや印画紙に化学変化で像を出すことを
言うのです。
●どうやって「紙の写真」を作るの?
写真店には「ミニラボ」という2~3メートルある結構巨大な写真製作機があります。この機械は1000万円以上するので、
写真店は「設備産業」なのですね。
この「ミニラボ」で、
ロール状印画紙(大きなトイレットペーパーのような形です)の所定サイズへの切断→オペレーターによる色補正(専用パソコン使用)
→レーザーによる露光→発色現像液・漂白定着液・安定水洗液の中を印画紙が流れて「現像」されます。→ドライヤーで濡れた印画紙
を乾かして完成です。この一連の作業をするのが「ミニラボ」なのです。
ちなみにLサイズの写真は12.7cmx8.9cmですが、通称127という12.7cm幅x186メートルのロールペーパーを使います。
この紙を8.9cm送り、ギロチン式のカッターで切断してLサイズの紙が出来ます。この作業もコンピューター制御の「ミニラボ」が
行います。17.8cm送れば2Lサイズになります。186メートルのロールペーパーから約2000枚のLサイズの紙が取れます。
●「銀塩写真」のどこがいいの?
「銀塩写真」のメリットはいくつかあります。
①保存性・耐久性が良い
水につかっても像が消えることはありません。先の震災による津波で多くの写真が流されましたが、泥水につかっても「銀塩写真」は
助かりました。テレビのニュースで放送していた、有志の人達がきれいな水で泥を洗い流していたのがこの「銀塩写真」です。
インクによる印刷紙は真っ白けになってしまいました。
また、かつてコニカ(現コニカミノルタ)が「100年プリント」と自社の印画紙の耐久性を宣伝しましたが、長い期間のメーカーの
研究により、現代のカラー・白黒写真は「一生モノ」の信頼性を手にしました。
②写真店オペレーターによる色調補正ができる
写真店ではベテランオペレーターが1枚1枚画像をモニター画面で確認して、暗い写真を明るくしたり、白っぽい写真を濃くしたり、
最適の色合いになるように調整します。コンビニの複合機では、データーをそのままプリントするので、暗い画像は暗いまま印刷されます。
③コストが安い
家庭用プリンターでは紙もインクも驚くほど高価で、1枚単価はかなりの値段になってしまいます。写真店の「銀塩写真」は大量生産が
前提なので、比較的安く高品質の写真が入手できます。
◎もしみなさんの街に写真店があれば、覗いてみてください。そして試しに数枚の写真を注文してみてください。ご自分の納得のいく出来栄えなら、
ぜひ、ひいきにしてあげてください。
また、最近ではコスト面で銀塩ミニラボを導入せず、安いインクジェット機を使っている店もあります。「銀塩写真」ですか?と聞いてみて下さい。
◎当店は「デジタルミニラボ」を使っています。露光方式はレーザーです。どうぞお気軽にご来店ください。ネガカラーフィルムのお客様も大歓迎です!
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