おバカ社員奮闘記 よもやま話②

会社とは?組織とは?

ここまで書いてきた文章をお読みいただいて、地区長の私が上司の部長を飛び越して
役員に相談・交渉することに違和感を憶えた方がいらっしゃると思います。
地区長は他社なら課長級ですから、上司の部長に相談して許可を得るのが当然です。

しかし西友フォートサービスの場合は現場の事情や、写真・カメラの知識のあるプロパー
の部長が次々と他部署の「担当部長」などに更迭され、西友からきた人がいきなり
ラインの部長になったため、話が通じなかったのです。よく登場するK役員も西友出身者
ですが、早くから出向・転籍してきた方で、店の事情をある程度知っているため、
直接K役員に話をした方が的確な結論を得られるため、やむを得ずこうした方法を
取っている訳です。

しかし同じ地区長の中には部長の子分になり、ラインを遵守するということとは別に
処世術で部長に頼る人も何人かいました。そういう人ほど仕事は出来ず、
土日は完全に休んで部下は働かせ、自分は何もしないというタイプでした。

良くも悪くも


協調性に欠ける私がサラリーマンをやってこれたのは、個性を大切にして自由に仕事を
させてくれたI部長、S部長のおかげです。会社には派閥があり、力を持った人の子分に
なって引き上げてもらう人の姿をよく見ました。I部長、S部長は派閥を作らず、私も
誰の子分にもならず、生き抜いてきました。もともと出世欲は一切無く、自分の好きな
ように仕事をさせてくれればそれで満足だったからです。

S社長が来てからは地区割がどんどん変わり、最初7店舗の担当だったのが、最終的には
ひとりで20店舗を担当するようになりました。社則の職務分掌とは全く関係ない
証明写真ボックスの営業や店舗開発までするようになり、あまりの多忙さに体を壊しましたが、
30代前半の、他社では若手の私が大企業の役員や大学の学部長と交渉するなど、
得難い経験が出来ました。

私のような滅茶苦茶な人間にのびのび仕事をさせてくれたI部長、S部長、O人事部長、それから
K役員やN常務、他の地区の何倍も働いてくれたスタッフの皆さんに心から感謝いたします。