おバカ社員奮闘記 よもやま話④

えっ?俺だけ、、、、?

会議が終わり、地区長仲間と昼食をとるためにそば屋さんに入りました。
お茶をすすりながら話はお歳暮のことになりました。
すると、なんと!そこにいる6人の地区長のうち、
私をのぞく5人が毎年S社長にお歳暮を送っているというではありませんか!
えっ、俺だけ?
それまで上司や、そのはるか上の社長に中元や歳暮を贈ることなど
考えたこともありませんでした。


歳暮を贈らないことで、私が地区長を外されたら、地区のみんなはどうなる?
売上はガタ落ちで人員削減をされるかも知れません。
いや、私以外の地区長なら仕事が楽になって、むしろみんな喜ぶかも?

いずれにしろ、私も贈らねば、と思い地区に戻ったときに店舗巡回で見つけた
お茶屋さんに入りました。愛用のシステム手帳を鞄から取り出し、
住所録の頁を見ると、おや?S社長の記入が無いではないですか!
それもそうです、それまで年賀状も出したことはありませんでした。

色々考えて、S社長のご母堂が亡くなったときに葬儀に参列したことを思い出しました。
自宅に帰って住所を突き止め、翌日、遅いお歳暮を発送しました。

1、2か月後、○○内(うち)という奥様から印刷された礼状はがきが届きました。
・・・・本人ではなく奥さんとは、、、。えらい社長や教授など大量の歳暮が
送られてくるのでしょう。
なんだかバカバカしくなって、以後、歳暮を贈るのはやめました。

長い物には巻かれろ?

若い時から西友内で働いていて、西友社員の上下関係が厳しいことを感じていました。
社員、係長、課長、大きな店では部長、そして店長。店長の命令は絶対でした。
西友フォートサービスは西友内のカメラ売場ですから、若くてもチーフが店舗のトップです。
上司は地区長や部長ですが、たまに巡回に来るだけで、店には上司はいません。
K社長、N専務にころは上下関係は希薄な感じがしました。
それでも、あいつは専務派だ、とかの話は部長から聞きましたが。


S社長になって、事実上、人事を社長が一手に握り、昇進、降格など思うようにするようになると、
管理職は皆、上を向いて仕事をするようになりました。
おかしい、と思っていても誰もおかしいと言えなくなり、派閥のリーダーも私たちの知らないところで、
社長の歓心を買うようなことをしていたようです。


私は?というと、いつも自分で考えたとおりに仕事をし、本部=社長の思惑など知ったこっちゃない、
派閥に入ったり誰かの子分になるなど、まっぴら御免、そんな人間でしたから、
西友から来た部長やその子分には全く相手にされませんでした。


なにしろ私は社長命令による本社への転勤を2度にわたって断っていました。
S社長の趣味?の社内スポーツ大会(サッカーをしたそうです)には超多忙のため当然、欠席しました。


自分のことを一匹狼、などと思ったことすらありません。ふさわしいとしたら、野良犬、でしょうか?


「長いものに巻かれる」という人を、いやというほど見てきました。その人にも家族がありますから、
逆らって遠方への転勤などさせられてはたまりません。
しかし自分の処世術が、自分の部下やスタッフ、会社そしてお客様のためになっているのか?
いま、正直に言えば、私は地区のスタッフにことを第一に考えていました。
地区の売上が上がり、みんなが働きやすければ、それが一番、会社のためになる、
つまり私は部長や役員になる器ではなかった、ということです。
もちろん出世欲もありませんでしたが。