おバカ社員奮闘記 よもやま話①

空手バカ一代?


殴られたことは3度あります。いまの時代なら手を出せば一発アウト、パワハラになりますが、
当時はよくあることでした。

1度目はバイト時代、部長とチーフが昼食に出て、店番しているとき居眠りしてしまい、
I部長に一発もらいました。
もう一回は私が勝手に次の異動先を見に行って、やはりI部長に頭を殴られました。

どちらも明らかに私が悪く、I部長を恨んだり憎んだりすることはありませんでした。

I部長は空手有段者でサザエのようなゴツい拳をしており、よく若手社員を殴っていました。
私より1年前に入った年下のTくんは、いつもI部長に殴られては、しくしく泣いていました。
泣いていると余計に部長の怒りを買い、さらに殴られていました。

I部長はコワモテで多くの武勇伝で他の販売部の社員からも恐れられていましたが、
本当は思いやりのある人情家で、Tくんなど母子家庭の人を社員に推薦していました。

今も覚えていますよ!


3度目は私が東陽町店でチーフをしていたとき、店舗のメンバーは私ひとりだったので、
夏のある日、お客様が途切れた隙に3階の事務所へ階段を駆け上がって両替に行ったときです。
当時、西友は「エコ」のため冷房を28度に設定しており、まったく涼しくなく、すぐに
汗をかきました。その時も事務所に着くと汗びっしょりで、「ああ、暑い、暑い、暑いねー」
と西友の顔なじみの女子社員に大声で言ったのです。
するとソファーで来客の相手をしていた西友のN店長に、いきなり右手で張り飛ばされたのです。

来客に気づかず大声を出した私が悪いのですが、いきなりビンタをされて怒りを覚えました。

このN店長という人はテナントの私がどんなに売上を伸ばしても「ご苦労さん」のねぎらいもなく、
いつも消化先(テナント)を下に見ていました。
西友の女子社員の前で殴られた恥ずかしさもあり、このN店長のことは、ずっと好きにはなれませんでした。

N店長はのちに西友を退社し、会社の内情を週刊Sにブチまけ、暴露記事になりました。
当社のN専務にペコペコしていたN氏だっただけに、意外な感じがしました。

営業はむずかしい

殴られてはいないのですが、顔にお茶をかけられたことがあります。
私が地区長として証明写真ボックスの営業をしていたとき、あるところに抜群に立地のいい酒屋さんが
ありました。店舗巡回のたびにその酒店に立ち寄って、ご主人に証明機の設置をお願いしていたのですが、
もう顔を出すようになって10回を超えたころでしょうか、「あんたはしつこいんだよっ!」
と湯呑みのお茶を顔にかけられました。「どうしてもここに置きたい!」という私の「熱意」は
相手にとって迷惑でしかなかった、ということでしょう。

力不足で、、、、、。

私は地区長になって6年半、一度も部下に手を上げたことはありません。
部下といってもスタッフの多くが年上で先輩だったこともありますが、そもそも人を殴るという
発想がありませんでした。

新小岩店のチーフになった若手のSくんは、4年制大学を卒業して本社に新卒採用された人でしたが、
配属された事業開発部で、一台も証明写真ボックスの契約が取れず、K役員に頼まれて当地区で
引き取ったのです。
彼は店舗での実績もないのに、何かと私に逆らうので手を焼いていました。
しかしそれは十分な教育もせず、店舗にチーフとして出した会社に問題があります。
根気強く教育しようとしましたが、店舗巡回時のアドバイスくらいではどうしようもありませんでした。
あまりに態度が悪く、カッとしたこともありましたが、手を上げようとは思いませんでした。
Sくんはしばらくして、会社を辞めていきました。