おバカ社員奮闘記 地区長編⑭

図に乗るバカがとうとう大失敗!

西千葉の事務所で昼食に行こうとしていたら、北習志野店のHくんから「西友のK店長がカンカンに
怒っています」と電話がありました。私には思い当たることがありました。私が数年前に北習志野店
を抜けてから店の売上は急落し、O地区長が担当していた時にミニラボを導入しましたが、売上は一向に
上がりませんでした。私は商店会広場(juju広場)での催事を企画しましたが、商店会長と西友の
K店長がモメてしまい、西友は広場でのイベントに一切協力していませんでした。私は商店会長と
直接話して広場の使用の許可を得ました。K店長の頭越しに商店会長と話したことが店長の逆鱗に
触れたのです。私は急いで車を走らせ北習志野店へ向かいました。事務所に行き女性社員に店長に
会わせてください、とお願いすると、いま相当怒っているからやめたほうがいいですよ、と言われ
ました。それでも店長を捜して社員食堂で食事中のところを見つけ、土下座してお詫びしました。

K店長は私が北習志野店にいたときに食品課長から昇格した人でよく知っていました。私はK店長
なら大丈夫だろうと甘く見ていたのです。伏して詫びる私に店長は口をきいてくれませんでしたが、
食事が終わり休憩用ソファーに移っても追いかけて謝る私に「わかった、もういいよ、だけど広場は
絶対に使うなよ」とやっと許してくれました。


一秒でも惜しい、という超多忙の仕事をしていた私は、仕事の進め方が雑になっていたのです。
当社の売場はあくまで西友のテナントです。その店長の頭越しに物事を決められては怒るのも当然
です。いつもなら担当課長に相談して課長を通じて店長の許可を取るという当たり前のプロセスを
すっ飛ばしてしまうという考えられない行動をしてしまいました。社内では部長の頭越しにK役員と
直接相談や打ち合わせをするのが当たり前になっていましたが、取引先さんにそんなやり方が通用
するわけがありません。私は深く反省し西友の人と交渉するときは係長、課長、店長と段階を踏んで
話をするよう一層気を付けました。よく知る店長のいる店でも直接事務所の店長に挨拶に行くのではなく
まず担当係長、課長に挨拶するよう心掛けました。営業や開発の仕事をしていましたので、先方の
職制や地位には一層気をつけるようにしました。この時の失敗を思い出すと今でも冷や汗が出ます。
地区長としての6年半で一番の失態でした。